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タロット13番地について

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 カテゴリ「タロット13番地」では、靉霧が集めたタロットデッキから、「死」とか「死神」という名称で呼ばれる13番カード(以下「13番(死・死神)」)のみを選んでご紹介しています。
 「13番(死・死神)」というカードは、不吉で不気味な名前に相応しく、タロットカードの中で最凶・最悪の意味を持つとされます。絵柄も、気味が悪いものであることがほとんどです。
 そうした不吉なもの、不気味な絵柄に抵抗を感じる方は、カテゴリ「タロット13番地」内の記事をご覧になられませんよう、ご注意ください。
 どうしてこんなカテゴリを作ったのか知りたい方、カテゴリ内の記事に興味のある方は、お目汚しではありますが、以下の長文に一度お目通しください。

じつは今回で4回目の挑戦です

 私が「13番(死・死神)」のカードのご紹介に挑むのは、じつは4回目です。
 最初は2000年台半ば、htmlタグを手打ちして作ったサイトでした。「タロット13番地」という名称は、その時に作ったコンテンツ名です。当時は50近い数のデッキの「13番(死・死神)」をご紹介していましたが、タロットに興味のないお客様から「死を美化するのはどうかと思う」とご意見をいただいたのを機に、更新を止めました。
 2回目は2012年頃、某無料ブログサービスを拝借し、所有デッキのリストを作りがてら所感を綴り、その中でカードもご紹介していました。が、リストにしては閲覧しづらく、より機能的な環境を求め始めると同時に更新を止めました。
 3回目は2015~2016年頃、1記事を複数のカテゴリに登録できるということでWordPressに引っ越し、デッキ別カテゴリとカード別カテゴリを作成し、「13番(死・死神)」に限らずカードをご紹介するコンテンツを企画しました。が、手を広げすぎたことでストレスが生じ、自然消滅的に更新が止まりました。
 こうした経緯を振り返り、今回は原点に戻って「13番(死・死神)」のカードに限定してご紹介することにしました。

不吉で不気味だから敢えてご紹介します

 何度も挫けながらも「13番(死・死神)」をご紹介するコンテンツを企画するのには、理由があります。

外箱にプリントされない絵柄だから

 タロット占いに興味を持ち、自分のデッキを購入したことがある方ならばご存知でしょうが、市販されているタロットの外箱にはカードの絵が印刷されています。その美麗さに魅かれて購入することも多々あるわけですが、外箱に印刷されているのはごく一部のカードだけですから、当然好きになれない絵柄のカードが含まれる場合もあります。
 その「好きになれない」と言われるカードの筆頭が、「13番(死・死神)」です。
 タロット初心者の方々から「こんなに怖い絵だとわかっていたらこのデッキを買わなかった」という話を伺っていましたし、「私が持っているデッキのカードをご紹介したら、購入を考えている人のお役に立てるかも」と考えたのも動機の1つです。

私のパーソナルカードが「13番(死・死神)」だから

 伝統的なタロット占いの1つに、生年月日からその人の本質や人生の課題を垣間見るという「パーソナルカード」というものがあります。その算出方法は別記事に譲りますが、これにより私自身のパーソナルカードを調べたところ、「13番(死・死神)」と出ました。
 ショックでした。その時には既にタロットのことも調べて理解していたつもりでしたが、さすがに「最悪なカード」が自分の本質や人生の課題だなんて、しばらく「どう受け止めたらいいんだろう」と考え込みました。
 今ではタロットによるパーソナルカードも、あちこちのサイトで紹介されています(中には計算方法が異なるサイトもあります)。それらで自分や親しい人のパーソナルカードを調べる中には、私と同じ「13番(死・死神)」と表示される人もおられましょう。その時の画面に不気味な絵が表示されたら当然ショックでしょうし、説明文の内容も頭に入りにくいかと思います。
 そうした方々に、「13番(死・死神)」の絵柄はご覧になられたものだけではないこと、その意味も単に「最凶」「最悪」なだけではないことを、お伝えできればと考えたのも動機の1つです。

監修者・作画担当者の死生観が最も反映されるカードだから

 自分のパーソナルカードだと知ってから、手持ちのデッキの「13番(死・死神)」を眺め直してみました。初めて「タロット13番地」というコンテンツを企画する直前ですから、2000年代初頭のことです。
 そうして気づいたのが、タロットカードの絵柄で最も自由度が高いのが「13番(死・死神)」だということです。
 タロットカードには、一定の決まりがあります。大アルカナと小アルカナとで構成されること。各アルカナのカードの枚数、名称と意味。各カードの名称と意味を成立させるのに必要な、絵に含まれる要素。こうした決まりを理解し、タロット占い師は占いの答えを読み解いたり、自分の感覚に合ったデッキを選んでいます。
 また、タロット占い師や研究家によっては独自の解釈を加えたデッキを作成することもありますし、近年ではイラストレーターなど絵心のある人たちが独創的な絵柄を制作することもあります。その場合もタロットの一定の決まりに従うのですが、細部まで伝統に従うのではなく、自身のセンスによって大きくアレンジを加えます。
 このアレンジの際に、監修した占い師・研究家や作画したイラストレーターの価値観や観念が絵柄に反映されます。中でも死生観──何者かの死を通して見えてくる別の何者かの生に対する観念や執着が反映されるのが、「13番(死・死神)」です。
 不気味な死神(骸骨)を大きく扱うことで死というものの恐怖や絶望感を表現するものもあれば、死者を悼む人物を中心に描くことで悲しみと死者以外の存在の時間が続くことを暗示させるものもあります。あるいは、砂時計や枯れた花などで時間の終焉を描いて死を暗示的に表現したり、壊された人形を描いて人の心に潜む殺意という形で死を表現したデッキもあります。
 竜や妖精などファンタジックなキャラクターをモチーフにしたデッキには、「死」ではなく「再生」を表現したもの、四面楚歌で追い詰められた窮地を俯瞰したものなど、伝統的なデッキとは意味や雰囲気も異なる場合もあります。

「死」の受け止め方は人それぞれです

 こうしたアレンジには、「死を美化している」ように感じられる場合もあります。それは、絵柄が美しく描かれているからかもしれませんし、選んだ販売ルートや主な購買層に合わせて表現をやんわりとさせたからかもしれません。が、それを否定することは、私にはできません。
 「死」は、いずれ必ず体験しなくてはならない、人生最後の出来事です。死ぬことで自分がどうなるのか、いや、自分がどうして死ぬのかすらも、私たちはその時までわかりません。だから、怖いです。身近な人の死を辛く感じます。縁遠い存在の死を見聞きしても、重く受け止め、さまざまに思いを巡らせます。そうすることで自らも死へと向かって生きていることを再認識し、死を理解しよう、今後の生を充実させようとしているのではないでしょうか。少なくとも、私はそう考えます。
 タロットの監修者や作画担当者は、そうして培った「死に関する認識や理解」すなわち「死生観」を「13番(死・死神)」の絵柄に反映させます。その結果が不気味な絵であるのなら、そこには「死を恐れて生きる努力をしよう」と訴える意図があるかもしれません。逆に美しくのどかに描かれているのなら、そこには「願わくば穏やかに人生を終えたい、終えてほしい」という願望があるかもしれません。
 こうした推測は私の勘ぐりに過ぎず、監修者・作画担当者の思うところとはまったく違う可能性のほうが高いでしょう。だからと言って、私は「間違いでした、すみません」とは安易に申したくありません。
 なぜなら、カードの絵柄は完成し、販売された段階で、監修者・作画担当者の手を離れるからです。その絵を見、感じたことを得るのは、購入した人をはじめとするユーザーです。「この絵を描いた人は、死を怖いものだと思ってるんだろうな」という思いすら、その絵柄の一部となるからです。
 つまり、私が感じ、思うところも、私にとっては最早そのカードの意味の一部となり、私自身の死生観を培う要素の1つとなっているのです。

他人の死生観に触れる機会は多いほうがいい

 同様に、私以外の人の感じるところ、思うところも、私は否定したくありません。その人にはその人の経てきたどなたかの死があり、そこから得た死生観があるからです。
 初めて「タロット13番地」というコンテンツを開き、「死を美化するのはどうかと思う」とご指摘いただいた時、私は「美化しているつもりはない」とは申し上げたものの、こうした思いをうまくお伝えすることができませんでした。自覚すらできていなかったのでしょう、あちこちで類似したコンテンツを始めては違和感を覚えたりして閉鎖していましたから。
 それでもまた懲りずに再開しようとしているのは、「他人の死生観に触れる機会は多いほうがいい」と考えるからです。
 「13番(死・死神)」のいろんな絵柄を通して多くの人々のさまざまな死生観を想像することは、自分と考え方が違う人の存在を知ることであり、他人の感情・意図・考え方を想像する練習になります。中でも「13番(死・死神)」は、タロットカードの中で最もインパクトが強く、現実的で具体的でありながら「正解」は誰にもわからないテーマですから、私たち眺める側の人間の心に感情が浮かびやすく、かつ他人事にもできず、大切にせざるを得なくなります。その点でも、練習材料に向いているのではないでしょうか。

でも無理はしないでください

 とは申しましても、「この絵が怖い、嫌い!」という気持ちが強く、「見たくない」と思うのでしたら、その気持ちに従ってください。
 「イヤだ、見たくない」という気持ちは、自己防衛です。過剰にストレスを受けると予期し、脳や心が反射的に「避ける」を選択している証拠です。
 ですので、無理にカテゴリ「タロット13番地」の記事にお目を通すことなく、他のコンテンツをお楽しみいただくか、他の方々のブログへお出かけください。

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